サポイン大変身!
今年も「サポイン」の公募が始まりました。いまやこの規模の事業としては経済産業省で最も古株のひとつです。「サポイン」とは「サポーティングインダストリー」の通称で、正式には「戦略的基盤技術高度化支援事業」といいます。
で、そのサポインが今年は大変身しました。今回は変更点をわかり易く説明します。
助成金等になじみのある方は「技術分野の構成が変わったこと!」とピンとくるかもしれません。確かに昨年まで22分野と定めていた『戦略的基盤技術』と呼ぶ助成対象技術分野が11分野に再編成され、これは大きな変化ですが、まだ他にも大変身があります。
一番大きな変更点は、企業に限り助成率が100%から2/3に下げられたこと。企業が事務管理機関の場合でも2/3です。この影響は大きいでしょう。応募倍率がかなり下がると思います。
もし大学や公設試験機関が申請メンバーに入らなければ、これまで3年間の総額で1億円近い事業費用が全額国の負担となっていたものが、今年から2/3しかお金がもらえないことになります。
ただ、大学や公設試験機関(〇〇〇研究センターとかXXX試験所とかの公的施設)の助成については100%支給されるので、これらと連携して申請する場合は予算計画が大変複雑になります。
さらにこれに関連して、助成率2/3とされる経費については消費税が助成されません。8%に上がってしまった消費税が自己負担になってしまうということなので、実際には昨年までと比較して助成率が60%以下になってしまいます。
これは少し解説が必要でしょう。そもそも助成率が100%の事業と2/3や1/2の事業では政府の位置付けが全く異なります。
つまり100%国の負担で行う事業とは、「本来国の予算で行うべき研究開発などを、民間に委託して行わせる事業である」との考え方で、正式には助成ではなく「委託事業」と呼びます。
従って委託事業を公募するという意味は「国で行うべき程の重要な事業を計画している人は応募してください」という意味になります。
一方助成率が2/3等の事業が公募されるというのは、「企業が自身で行おうとしている事業が、国の方針に合致していれば助成(または補助)しますよ」という意味になり、これを「助成(補助)事業」と呼びます。
なので、「委託事業は国が行うべき事業であり、国が行った場合は消費税も国が払うのだから、委託した先が支払うことになる消費税は国が負担します」となります。
一方「助成(補助)事業」についてはそもそも民間が行うべき事業であり、その一部を国から助成するのであるから、その際に助成先が払うべき消費税を国が肩代わりするわけにはいかないという理屈になります。
今回はなんだか税理士事務所のような話題になってしまいましたが、企業が大学と組んでサポインに応募する場合は、消費税の取り扱いが複雑で頭が痛くかもしれません。
そのような場合は、是非弊社にご相談ください(^^)V
季節の俳句
さし木すや 八百万の神 見そなわす (前田 普羅)
普羅という人は虚子門の四天王のひとりと言われていますが、山とかの自然を好む俳人で、この句もそうです。自然の奥に神性を感じて鎮まるような感覚に共感します。
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