産めよ増やせよ小規模事業者
2月10日のブログでご紹介した145億円の「支援パッケージ」を覚えておられるでしょうか?その中で予算化されていた「地域力活用市場獲得等支援事業(小規模事業者持続化補助金)」が2月後半から動き出し、5月27日で締め切りとなります。
この事業そのものは、地域の「小規模事業者」(製造業・宿泊業では従業員が20名以下、その他では5名以下、いわゆる社長さん自身が「うちは“零細企業”だから」と自嘲することが多い企業群)向けの予算ですが、使いやすさもあって応募が殺到し、ほぼ今年度の予算を使い切ってしまったようです。
ところがこの“零細企業”が国内で抱える実際の総従業員数が1,192万人であり、大企業の総従業員数1,397万人に匹敵する規模であることはご存じだったでしょうか?実は今年になってこの点に着目した経産省が、日本復活のキーファクターとして「小規模事業者」を非常に重要視し始めたのです。そして3月には「小規模企業振興基本法」が閣議決定されました。
偶然ですが先週は色々な関係で立て続けに経済産業省の中小企業関連部署の幹部クラスのお二人にお話を聞く機会があり、お二人とも「減少の一途をたどっている日本の中小企業数を、本気で年10%増に変える」と意気込んでおられました。
そのための重要施策が「小規模事業者」への支援であり、具体的には創業支援と創業後の経営力強化支援であるというのです。そしてその結果として中小企業全体の黒字企業率を現在の30%から50%に改善させることで日本の産業力強化を実現するとのこと。
さらにもう一つ、「小規模事業者」を十羽ひとからげに支援するのではなく、8割の「現状維持したい派」(地域志向型)と2割の「大きく成長させたい派」(広域志向型)との2グループに分け、各々に適した政策を個別に準備することになりました(中小企業白書より)。
本日終了する「小規模事業者持続化補助金」は平成25年度の補正予算であり、8割の「現状維持したい派」を対象とした、販路拡大のためのチラシやホームページの費用や雇用拡大といった最大100万円までの助成というかなり小ぶり支援策でした。
しかしかえって「小規模事業者」には使いやすく、応募が殺到したのでしょう。中小企業庁に問い合わせたところ「予想外に予算消費が進んで、当初予定していた2次公募のための原資がなくなった」とのことでした。
平成26年度の予算としては前回ご案内した公募中のサポインも(使いやすいとは言えませんが)「小規模事業者」にシフトした内容になっています。そして経産省が一番力を入れているのはどうやら「創業支援」のようです。何しろ「年間に5000社以上の創業を目指す」と、中小企業庁の概要書に数値目標まで明記されています。
さらに、少々公募開始が遅れていますが、「大きく成長させたい派」に対して、メガビジネスを目指すベンチャー企業に総額年間3,000万円まで補填する「研究開発型ベンチャー創出支援」の予告がNEDOから出されています。
という訳で、今年から経産省は「小規模事業者」を産んで育てて数を増やし、更に利益も出させて税収を得るという方針でアベノミクスの成果を地域の中小・小規模に広めようとしています。乗ってみるのも良いかもしれません。
季節の俳句
六月を 奇麗な風の吹くことよ (正岡 子規)
勿論まだ5月ですが、子規が言う6月を吹く風は確かに先週吹いていたように思います。週末の一時、梅雨前の強い日差しを暑く感じさせない、涼やかな空気の流れこそ、子規が見つけた「奇麗な風」だったでしょう。
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