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中小企業海外展開1万社計画

2014/06/09

今回は企業の海外進出を支援する「中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業」について背景を説明します。
締め切りは7月31日です。

これから海外に事業を展開しようとしている企業の事前調査(フィジビリティ―スタディー:F/S」のみを対象とする事業であり、補助率2/3は共通ですが、補助金の上限額については通常の120万円と、「賃上げ等実施企業」向けの240万円の2本立てになっています。

「2本立て」とは言いながら、ものづくり補助金などの他の事業と同様、賃上げ実施の条件を満たすか否かで評価加点や上限の拡大が行われていることを考えると、後者を選択することが半ば『脅迫的』ではあります。

まあ、いずれにしてもそれほど大きな金額ではありません。にもかかわらず、この補助金は、前回もご紹介した今年度経産省の大きな方向展開「中小企業・小規模事業者の重視」に直結した新方針の一役を担う事業なのです。
(前回内容はこちら>コンサルタントの視点:産めよ増やせよ小規模事業者

新方針といえば前回解説した「中小企業の開業率をマイナスからプラス10%へ」、「黒字企業率30%から50%へ」という大胆な数値目標がそれに当たりますが、今回の補助金事業は、黒字企業育成のための施策の一つとして「新たに1万社の海外展開の実現を目指す」というこれまた大胆な数値目標として掲げているのです。

それにしては一件当たりの補助金の額が小さい気がしますが、経産省が欲しているのは「数」なのです。予算総額は平成26年度の新規分22.8 億円から充てられているようなので、仮に全額が補助金に使われたとすれば、全採択企業が上限の240万円を獲得したとしても950社、平均を180万円と仮定した場合は1200社以上という採択者が生まれます。

多くが1千万円以上の金額であったアベノミクス前の競争型補助金では採択者数が多くても2ケタであったことと比べれば莫大な数といえます。

つまり、既に海外展開に関心を持ちながら、情報不足で一歩が踏み出せない中小の企業は実はたくさん存在しているとのデータがすでにつかんでいるので(中小企業白書)、あまり負担とならないF/Sに限定して支援することにより、その一歩の呼び水にして多くの企業を誘惑しようという思惑かと思います。

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人口動態からマーケット縮小が宿命づけられてしまった日本では大手企業がいち早く海外展開を進めていますが、「中小」と「小規模」との比較では、「小規模」の方が海外への関心が高いというデータが上記です。もし貴社がそれに該当するならこの補助金は大変お手頃な事業かと思います。

本記事は2014/06/09時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

五月雨や 大河を前に 家二軒(与謝 蕪村)

ズームを効かせた望遠で捉えた一枚の写真のような句ですね。春の雨を集めて水嵩が増した大河の前の小さな2軒の家。今ならゲリラ豪雨による氾濫が心配ですが、時代を思えばのどかな風景として味わえます。

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