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「自己負担0%の研究開発支援」とは?

2014/06/30

助成金とか補助金というとたいがいの事業は1/3や1/2は自分で費用負担しないといけないのですが「自己負担0円のものはない?」と考えたことはありませんか?

今回ご紹介する「A-STEP」は、このコーナーでも何度か取り上げてきましたが、今回は「自己負担0円」が何を意味するかを中心に解説します。

今回の公募は多数ある「A-STEP」プログラムの中で「フィージビリティスタディ【FS】ステージ」に限られますが、プログラムに係わらず「A-STEP」全体が、消費税も含めて100%政府(文科省)負担、受託者側負担0円の研究開発事業です。

尚、「フィージビリティスタディ【FS】ステージ」というのは「A-STEP」の導入編と言ってよい、金額的にも総額1,000万円程度の事業ですが、「A-STEP」そのものは文科省が誇る結構大型の事業で、最大規模では、企業と大学が連携して事業化を図る、「7年間・総額20億円」というものまでそろえています。

さて、消費税を含めて100%政府負担の事業のことを「委託事業」と言います。「A-STEP」のように研究開発が目的の事業は「研究開発委託事業」と言います(そのままですが…)。即ち、大学と企業が連携して提案する研究開発テーマが、「日本国としてチャレンジすべき研究テーマとして適切なものであるか?」という視点で評価されます。

そしてそれが採択されるということは「国家が行うべき研究テーマとして、その開発を提案者に『委託』する」という意味になります。本来国が行うべき事業を提案者に『委託』するので、当然ながらその事業の遂行上発生する消費税についても国が負担するという訳です。

因みに国が行う企業向けの補助事業や助成事業は、「本来企業が行うべき事業費の一部を支援する」という意味なので、事業者が支払うべき消費税を国が負担することはないという理屈になります。

自己負担0%であればこんな有難いことはないと思った方も、以上の事情を知れば少々面倒くさいこともご推察いただけるでしょう。

まず、大抵の委託事業は国から採択事業を担当する「PM(プログラムマネージャー)」等が指名されます。採択された事業者は、体制上このPMの指示に従って開発を進めることになるので、よほどよくコミュニケーションをとって誤解などの生じないようにしなければなりません。

そしてもちろん国に替って国の税金を使う立場になるので、見積から発注・検収・支払いまで、通常の補助事業以上に厳しい経費管理が必要になります。

開発が終了して最終的に「委託費」を申請する際も、かなり厳しく完了報告書がチェックされ、内容がプアーだったりするとPMから「国の税金を使って、国の仕事として行った事業の報告がこの程度では困ります」といって差し戻されたりと、結構しんどい思いをすることもあります。

とは言え、やはり自己負担0円で自分自身の研究開発テーマに臨めるのはハッピーですし、何より自社の研究開発そのものに対して「国家が進めるべき研究テーマである」と公に認めてもらえたことになるので、ブランディングとしても大きな魅力です。

もし適当なテーマを持っておられたら、少々手間が掛かってもチャレンジすべきと思います。それでも書類対応がご心配な方は経験豊富な弊社にご相談を(^^)v

本記事は2014/06/30時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

蛍火や 手首細しと摑まれし(正木 ゆう子)

蛍の句を探していたら見つけました。作者は実は私と年が同じなので少々意識してきたのですが、体内から湧き上がる感性を、鋭く研ぎだすような作風が多いと思っていたので、この様に事実を並べながら、しかも異性を連想させるような句は珍しいと思いました。

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