「メガベンチャー候補支援」とは?
今回はNEDOから公募中の「研究開発型ベンチャー支援事業の実施(スタートアップイノベーター支援)」という、長い名前の助成事業について説明します。これは今年からNEDOが新たに展開する「研究開発型新事業創出支援プラットフォーム」(以下「プラットフォーム」)という事業の一部です。
まず「プラットフォーム」の全体像です。日本は研究開発型のベンチャーを育成する環境が欧米と比べて未発達との認識に立ち(これには激しく同意します)、ベンチャーとしての事業活動開始・資金調達を目指す起業家の活動を支援して、将来のメガベンチャーを育成するという仕掛けです。
即ち、大学や大企業で眠っている膨大な特許技術を事業化するために、その発明者らをベンチャーとして独立させる動きを促進させる事を目的にしています。
この事業の最終ターゲットである「具体的な技術シーズを活用した事業構想を有する起業家候補」=「スタートアップイノベーター(以下、「SUI」)」に対しては、助成金のページの通り、「SUI」3名の場合は2年間で最高6,900万円の金額が支給されます。
その正式公募に先立ち、3つの公募が行われました。まず4月17日から「ベンチャー企業等への事業化促進支援に係る業務」と「事業カタライザー」という2つの公募が始まりました。
前者はSUIの教育やメンター役を務める側面からのサポーターという位置付けです。
また後者はSUIとタッグを組んで事業そのものを推進させ、場合によっては出資者の獲得もサポートする役割であり、7月18日までに決定されて顔写真入りで公開されています。
さらに5月30日には「起業家候補等への事業化促進支援に係る業務の実施法人」の公募が始まりました。こちらの公募は本命のSUI募集で採択されたSUI個人に対して年間650万円の活動費を支払うために、SUIを臨時社員として雇用することが主な役割です。こちらの方は現時点ではまだ決定していません。
最終ターゲットである「SUI」への公募が始まるまでに、なんと3種類もの支援部隊の公募が行われたことになります。そして7月18日、ついに本命のSUIの公募が始まったというわけです。
実はこの公募、3月末の時点では5月に公募が始まるとの予告が出ていたのですが、次々と延期され、最後は6月末とされたにもかかわらず7月18日まで公募が始まらなかったという経緯があり、NEDOさんも環境づくりに苦労されたようです。
さて、未決定の「実施法人」にもめどがついたので「SUI」の公募に踏み切ったのでしょうから応募する側は気にする必要はなのですが、それより初回7月24日の説明会に参加して驚いたことがあります。
まずは説明会に同席していた経産省担当者が「20社も来ればと考えていた参加者が110社を超えて驚いています」という挨拶をしていましたが、会場は大賑わいでした。説明会は全国で10回行われるので、参加者総数は1000社に迫るかもしれません。
また会場の熱気がすごいのです。14時から15時30分の説明が終わった後の質問が引きも切らず。17時を過ぎてやっと強制的に終了させたような状況でした。
さらにその質問の中身がありきたりでなく、応募条件となっている第3者からの200万円以上の「出資意向確認書」の妥当性に関する疑問、事業カタライザーとの相性が合わなかった時の対処、支援実施法人や事業カタライザーが申請者の事業と競合となった場合の保護対策など、普段の説明会では考えられないような突っ込んだ質問が多くありました。
今年度の枠は10~15件程度とことなので、これから応募を検討される方はこれら熱心な人たちとの戦いを勝ち抜いて取りに行くことになりますので、腰を据えて準備してください。
季節の俳句
滝落ちて 群青世界とどろけり (水原 秋櫻子)
大暑に覚悟はしたものの、あまりに暑いので俳句で一瞬のマイナスイオンを味わいます。
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