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ここが変わる!創業補助金

2015/03/16

平成26年度補正予算による創業補助金が、3月2日から始まっています。

実は昨年の例から2~3ヶ月に渡る長い公募期間を予想したのですが、蓋を開けてみれば3月末までという短期間でした。

創業補助金と前回ご紹介したものづくり補助金は、3年前のスタート以来毎回マイナーチェンジが行われていて、申請される方はその1回きりなので問題ないのですが、毎年違う創業者をご支援する立場の弊社としてはその差を追いかけるのは結構神経を使います。

平成26年度補正予算による創業補助金の特徴は、まず「事業承継による第2創業」を対象とする補助金の総額が1000万円と高額になったことが挙げられます。

単純な創業の場合の200万円との差額は「事業承継の際に、廃業に必要な費用がある場合、それの補助対象とする」という触れ込みだったので、公募要領が公開される前はこの方向でご相談をいただいていていた何人かの方と、「補助金で過去の負債の清算ができるのならありがたい」と喜んでいたのですが…糠喜びだったようです。

公開された公募要領を見ると現業の廃業に必要な費用のうち、賃貸契約している店舗等を解約に伴う原状復帰費や、不要になる設備の廃棄費用等ハードウエア的な費用以外は対象になっていないのです。

金融機関からの借入金とまではいかなくとも、せめて未払の給与や仕入代金位は廃業費の対象にして欲しかったです。

気を取り直して次に行きましょう。

当初より創業補助金の申請には「認定支援機関」による確認書を添付する必要があり、これは変わっていませんが、平成26年度補正から「認定連携創業支援機関の支援」という、少々分かりにくい仕組みが加わりました。

ひとつの単語に100字を超える形容詞が付くような文章なので引用しませんが、図解的に説明をすれば、

経産省が市区町村の創業を支援する計画を認定する。

その計画には認定された市区町村と連携して創業者を支援する「認定連携創業支援事業者」が登録されている。

その「認定連携創業支援事業者」や市区町村が創業者を支援するのであれば補助金申請書の評価が加点される。
というものです。これに関連して中小企業庁が公開している文書があります。

そこには平成26年度補正予算の上記の加点に関する記述に加えて、平成27年度創業補助金が4月初旬から3週間程度で公募されること、および認定された(あるいは認定計画を申請済みの)市区町村での創業でなければ対象としないと明記されています。

平成27年度の公募が4月中に行われるという情報にも驚きますが、認定計画が出されていない市区町村での応募は受け付けないというのはショックです。

今日現在で認定申請をしていない市区町村は実はまだ結構あるので、これは該当する創業予定者にとっては酷い話です。自分に責任のない事情で補助金への応募ができないということです。

先の文章には「3月27日までに創業予定者支援事業計画の素案を提出した市区町村は対象とする」とされており、構図的には経産省が地域の創業希望者を人質にして支援事業計画が遅れている市区町村を督促しているという格好です。

まあ未申請の市区町村に頑張って貰えば良いのですが、応募する側としては認定支援機関との役割分担も曖昧のまま新しい支援機関が導入され、現場が混乱しないことを祈るのみです。

本記事は2015/03/16時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

白梅のあと紅梅の深空あり (飯田 龍太)

一説に白梅と紅梅の咲く順番に関連する解釈があるようですが、幸運にも早々に地方の梅林を訪ねる機会をいただいた身としては、紺碧の深空を背景に歩を進めながら白梅を見、次に紅梅を見るという至福の経験と重なります。