稀少★セキュリティ・ソフトウェア開発に100%の補助
今回はNEDOによる「重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保」という、政府負担100%の委託事業のご紹介です。これは「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」という一連の事業の一環として公募されています。
SIPは、昨年内閣府に設置された「総合科学技術・イノベーション会議」という機関が実施方針に基づいて選定した11の課題に対応するため、この機関が確保した予算を関係省庁の独立法人等に落とした交付金として実施するプログラムのことです。
その基本方針に書かれている文言には、「我が国の科学技術イノベーションの地位は、総じて相対的に低下しており、厳しい状況」との認識が示され、「総合科学技術・イノベーション会議は、『イノベーションに最も適した国』を創り上げていくための司令塔として、権限、予算両面でこれまでにない強力な推進力を発揮できるよう、司令塔機能の抜本的強化策の具体化を図らなければならない」と、えらく鼻息が荒いのです。
そこでSIPを推進する「総合科学技術・イノベーション会議」のメンバーを見れば、それもそのはず、議長が安倍総理であり、議員として菅官房長官を筆頭に6名もの関係閣僚と日本を代表する研究機関や大企業のトップが並んでいます。
これだけのメンバーで選ばれた課題のリストがこちらです。
11の課題の予算を足し算するとざっと320億円にもなり、さすがです。普通はこんなえらい先生方が課題を考えた場合、話が気宇壮大になって内容が曖昧になりがちですが、今回の課題はどの研究開発内容もとても絞り込まれています。
今回ご紹介する「重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保」もその課題の一つで、「制御・通信機器の真正性/完全性確認技術を含めた動作監視・解析技術と防御技術の研究開発」と、大変具体的です。
見ての通り「重要インフラ等におけるサイバーセキュリティの確保」は全11課題の中で予算が最も少ない5億円(他は少なくとも20億円以上)なのですが、提示された研究開発内容はすべてソフトウェアの開発であるため、結構使いではあると思います。
SIPは昨年度に3つの課題について公募が行われ、採択者が決定されたものもあります。これらの採択者の実績をみると、SIP自体が中小企業対象ではないため、多くは国や大学の研究機関または有名な大企業ですが、中堅・中小企業も含まれています。
ここ数年来、ソフトウェア開発に関する研究開発支援は珍しいといっても良いくらいの状況が続いていたので、ICT系の、しかもセキュリティに強い方にはぜひ一度ご検討いただきたいと思います。
季節の俳句
風花の 遊びつかれて地に下りし (上野 章子)
ゆるやかな風に舞う細かな雪に風花と名づけた昔の人の感性をそのまま受けた句かと思います。
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