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中小企業越境ECマーケティング支援事業

2016/07/04

今回のご紹介は、「中小企業越境ECマーケティング支援事業に係る補助金」です。中小企業の海外展開への支援がミッションの一つとなっている中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」)の事業です。

ところで「越境EC」ということばは現在どの程度使われているのでしょうか?
要するに海外向けにEC(電子商取引)サイトで受注を受け、製品を海外に届けるという「海外向けのネットショップ」ですが、なぜか「越境EC」という言い方が昨年あたりから使われ始めたようです。

補助金の専門サイトで調べてみても「越境EC」という言葉が使われたのは今回が最初のようで、官製用語ではないようです。しかし従来からある「海外向けネットショップ」等と比べて内容に特徴があるわけではないようで、一種の流行語でしょうか?

この事業、金額は上限100万円(補助率2/3)と高額とは言えませんが、海外向けウェブページの制作のみに特化した事業なので、現在国内向けにECをされている方が海外向けに多言語化などを計画されている場合にはお手頃かと思います。

ただし、この事業では「進出する相手国が主にTPP参加国であること」との条件が付いている点にご注意ください。製品やサービスの輸出先として中国を想定されている方も多いと思いますが、残念ながら「主に中国向け」という方は対象外です。

もっとも、公募要領に示された翻訳費用の対象に中国語も入っているので、「主に」ではないが「ついでに」中国も、ということであれば大丈夫なようです。このあたりをどのように表現するかは微妙なので、事業計画書の記入例を参照するとともに中小機構に問い合わせをすると良いでしょう。

また、この事業の特徴は、公募要領やQ&Aで手の内を明かすことによって、ECを使って海外展開を計画している企業の準備状況に合わせて、応募するタイミングを誘導している点にあります。

募集の締め切りが7月29日と9月30日の2回設けられていること、申請する事業計画に海外での決済方法やプロモーションの詳細までが求められること、Q&Aでは「越境ECを進める体制が構築できているかなどの観点」が記載されているなど、多くの情報がちりばめられています。

これらの公開されている情報をつなぎ合わせると、中小機構の意図が見えてきます。
まとめると、

  • 想定している採択者数は概ね150件程度
  • 第1期公募では5月の第1回越境EC勉強会等で既に準備が進んでいる50件程度
  • 第2期公募では7月から始まる越境ECフェス期間中に行われる講座等で準備を整えた100件程度
となります。さらに第1期公募で不採択だった方は自動的に第2期に応募することになるので、「そういう方は『越境ECフェス』(海外EC関連サービス事業者とのマッチングイベント、〈越境EC“まるごと”フェスティバル〉の略)内の講座で再学習してブラッシュアップしてください。」という仕掛けもあります。

これらからわかる通り、採択の基準は製品やサービスの内容以上に「どこまでしっかり準備ができているか」が重視されるようです。「越境EC」 に興味がある方はぜひ「越境ECフェス」をうまく利用してください。

本記事は2016/07/04時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

炎熱や 勝利のごとき地の明るさ(中村 草田男)

このコーナー、毎々勝手なところにスペースを挟んでしまい、紹介句への礼を失していることは認識しているのですが、特にこの句は初五で切りたいのです。きっと草田男先生もここで小さなため息をついてから後を続けたのではないか?まあプライベートなお便りということでご容赦ください。

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