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上限金額が3倍!・ものづくり補助金

2016/11/21

いよいよ始まりました!
平成28年度補正予算「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援事業補助金」、通称「ものづくり補助金」。締め切りは1月17日です。

補助金の概要については9月に行われた「事務局」の公募で予告された情報に基づいて、このブログでもご紹介しましたが、なんと予告の内容から大きな変更があったので、今回改めて解説します。

大きな変更とは、一般型と小規模型の補助金上限が2倍になるための条件とされた「経営力向上計画の認定取得」が、「従業員の平均賃金が1年間で5%以上の増加」に差し替えられたことです。

今年の第2回の公募に登場し、次回の予告では目玉だった「経営力向上計画の認定取得」は、「第四次産業革命型」と「一般型」との加点要件の一つにすぎなくなりました。いったい何があったのでしょうか?

今年7月に施行された「中小企業経営力強化法」に基づく「経営力向上計画」は、6つもの省庁が連携して中小企業等の強化を支援するというスキームで、従来以上に政府の力が入っていると見えていました。

「経営力向上計画」の認定による加点項目は、購入設備の固定資産税(評価資産額の1.4%/年)の3年間の2分の1減免ですが、はっきり言って魅力不足です。そこで、ものづくり補助金の上限倍増という強力な「おまけ」で補う意図が伺えたのです。

その「経営力向上計画」が、蓋を開けてみれば、「従業員の賃上げ」という条件に差し替わってしまいました。理由はおそらく、このところメディアで連日伝えられる「官製春闘」、すなわち安倍政権からの賃上げ圧力でしょう。

「経営力向上計画」の普及は経済産業省の主導であることは間違いないと思いますが、日銀の黒田総裁が任期中のインフレ2%をギブアップした今、是が非でもアベノミクスの成果を出したい安倍総理による賃上げ誘導に押し切られた結果と推測します。

さらに賃上げについては、前回までの「年間給与総額が増えればよい」という大雑把な条件ではなく、公募要領には社員全員および最低賃金グループの平均賃金の定義や、賃上げの評価方法等が詳細に説明されており、その熱心さに驚きます。

この最低賃金グループの平均賃金については、増額が10%超の場合さらに補助金上限が1.5倍(合計3倍)になるなど破格の好条件が付く一方で、賃上げ計画未達ならこれらの倍増ルールが無効となることを認める誓約書まで用意されています。

そしてこれらの上限倍増、3倍増の条件を説明する公募要領の記事は、事例解説を含めて8ページを超えています。申請書作成時に人事部に確認するなど慎重に検討しないと、確定検査で補助金額が大きく減額される可能性もあります。

平成24年度補正予算から始まり今回で5年目・9回目を迎えるものづくり補助金ですが、総賃金増・海外展開・IoT化・経営力向上計画・平均賃金増と、回を追うごとにクリアすべき加点項目が増えています。

この間に補助金額の上限も1,000万円から3,000万円に増加し、既に「誰でも取れる補助金」ではなくなってきました。

今回応募を検討されている方は、賃上げの実現性を中心にじっくり自社の環境を見極める必要がありそうです。

本記事は2016/11/21時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

寒椿 怠らざりし日も昏るる  (石田 波郷)

入退院を繰り返した波郷なので「ちょっと違うな」と言われそうですが、この句から浮かんだのは、「暮れに向かって仕事を頑張った日の帰路、お疲れさまと迎えてくれた寒椿」との心情です。

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