台風被害、商店街復旧の足掛かりに
今回ご紹介する事業は、経済産業省の令和元年台風19号被災地に向けた「商店街災害復旧等事業(商店街にぎわい創出事業)」です。
被災地向けなのでもちろん全国が対象ではありませんが、対象地域が岩手県、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県及び静岡県とかなり広い地域となったことから選んでみました。
事業名に(商店街にぎわい創出事業)とある通り、この事業は被害を受けた商店街設備の復旧支援ではありません。実は復旧支援事業としては別に、「商店街災害復旧等事業(商店街復旧事業)」(対象が福島県、神奈川県、山梨県のみ)があります。
(商店街復旧事業)の目的が台風で被害を受けたアーケード等の設備の復旧支援であるのに対し(商店街にぎわい創出事業)はイベント支援という形になっています。そして必ずしも台風被害を受けていることが条件ではありません。
特に被害が大きい宮城県、福島県、栃木県及び長野県の商店街は直接的な被害の有無に関わらず補助率10/10です。直接の被害が要件となっているのは上記以外の都県が10/10の補助を受ける場合に限られ、しかも直接被害がなくとも2/3の補助が受けられます。
1商店街等組織当たりの上限額は100万円で決して多くはありませんが、経済産業省のチラシには、例として「復興イベント・祭り」、「仮設住宅生活者向け移動販売」などの事例が写真とともに紹介されていて、このような内容であれば100万円でもかなり役に立ちそうな気がします。
例えば、温泉街で恒例のお祭りをやる場合を考えると、「被害は受けたが今年もやります。今回限り観光客でもお神輿担げます。」みたいな広告を旅行雑誌に載せ、参加者用のたすきを作るくらいはできそうです。
なお、商店街等組織のうち複数の商店街を包含する商工会等連合体組織の上限額については、「100万円×商店街等組織の数」となるので、この場合はかなりの金額になります(ただし上限は1200万円)。
また、応募者としての条件も間口がかなり広く、商店街振興組合、事業協同組合等の法人格を持った組織だけでなく、問屋街や市場、温泉街や飲食店街、商工会や商工会議所であっても応募できるようです。
ひとつだけ注意を要するのは事業実施期間です。これからの申し込みでは締め切りが令和2年1月8日で、結果の公表は1月末ですが、事業自体の実施期限は3月31日です。これから何をやるか考えるというのではかなり厳しいスケジュールになりそうです。
逆に、例えば毎年開催していたお祭りを今年もやりたいとか、すでに避難者支援イベント等のアイデアがあるが資金が足りないケースなどにはぴったりです。このような企画がある地域は是非応募してください。
季節の俳句
武蔵野は青空がよし十二月 (細田 綾子)
師走、と言えば忙しい印象で、年内にかたづけたい仕事に加えて年末年始の挨拶などが気になりますが、この句はそれを踏まえたうえで、広い武蔵野の空を見上げているような気がします。忙中閑有り。
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