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省エネ研究開発から実用化への支援
2020/01/20
経済産業省系の令和2年度補助事業について多くの公募予告情報が発信されています。それらは1月後半以降から順次公募されるようなので間もなくご紹介できると思います。
今回は予告情報の中から1件だけ先だってご紹介します。事業内容が従来とほぼ同じ内容と予想される、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」です。
この事業は資源エネルギー庁とNEDOが第5次エネルギー基本計画を踏まえて特定した「省エネルギー技術戦略に定める重要技術」の推進を目的とした事業です。
従ってこれから応募を検討する場合はまず提案内容がこの計画に該当することを確認してください。ただし、お忙しい方のために下に大枠を記載します。
重要技術概要
- エネルギー転換・供給関連技術:高効率電力供給、再生エネルギー、熱の有効利用他
- 産業関連技術:製造プロセスにおける省エネ、熱利用、IoT・AI活用他
- 家庭・業務関連技術:住宅のゼロエミッション、省エネ機器他
- 運輸関連技術:次世代自動車、スマート物流他
- 部門横断技術:エネルギーマネジメント、高効率ヒートポンプ他
事業構成はここ数年の内容が踏襲されると思います。即ち、まずi)基本スキームとii)テーマ設定型事業者連携スキームに二分され、i)基本スキーム内が3つのフェーズで構成されるという構成です(補助金のページ参照)。
ii)テーマ設定型事業者連携スキームはNEDOが提示した特定のテーマに対して企業連携体で提案する仕組みですが、上限額が10億円×最長5年と超大型であり、実績では採択メンバーは大企業が中心で、中小企業にとっては荷が重いスキームかと思います。
従って現時点で大企業と連携していない中小企業としてはi)基本スキームにおける〈インキュベーション研究開発フェーズ(以下、研究開発フェーズ)〉、〈実用化フェーズ〉、〈実証開発フェーズ〉の3つの中から適したフェーズから選ぶべきでしょう。
ここで注意すべき点は、研究開発フェーズ〉は単独では応募できず、〈実用化フェーズ〉または〈実証開発フェーズ〉と併用した応募でなければならない点です。
そして自社単独で開発した独自技術や特許技術をこれから実用化するという場合は、自社の技術に自信がある場合でも、〈研究開発フェーズ〉を含めた形でチャレンジすることをお勧めします。
その理由は、NEDOの考え方として実用化の可能性を厳しく見るので、〈研究開発フェーズ〉抜きで〈実用化フェーズ〉に応募すると、実用化の可能性調査がNEDOの指針と必ずしも同一ではないため、この面での評価が厳しくなるためです。
1年間の〈研究開発フェーズ〉で実用化の可能性を高める説得力のあるデータを収集し、それを根拠にして最長3年間の〈実用化フェーズ〉にチャレンジすれば、結果的に実用化への近道になると考えられます。
他にも色々と考えるべき点はありますが、この事業では実施者のNEDOが長年積み上げてきたノウハウを「実施方針」や「事例紹介」などの形で公開しているので、応募する際は公募要領だけでなくこれらの情報も参照して的確なフェーズ選びから始めてください。
本記事は2020/01/20時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
ひとつづつ霜夜の星のみがかれて (相馬 遷子)
センター試験は今年が最後ということで、受験生諸君は決戦の真っ最中かと思いますが、昨今の受験制度を知らぬ身にはもう一つ実感がわきません。俳句というのは不思議なもので、そんな半世紀近くも前の受験生にも、眠気を覚ますために窓を開けて見上げた当時の夜空を思い出させます。
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