観光業シフトの「JAPANブランド(特別枠)」 - 研究開発系補助金のスペシャリスト アライブ ビジネス

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観光業シフトの「JAPANブランド(特別枠)」

2020/06/22

今回は経済産業省が(株)ジェイアール東日本企画に委託して行う「令和2年度補正予算JAPANブランド育成支援等事業費補助金(特別枠)」をご紹介します。この事業は6月29日と7月22日の2つの締切(第1、第2ターム)があり、第2タームであれば今からでも応募可能かと思います。

「JAPANブランド」を冠した補助事業の歴史は比較的長く、例年実施されていて、今年度についてもすでに3月25日締切で「令和2年度JAPANブランド育成支援等事業費補助金」が行われています。

今回は、ものづくり補助金やIT導入補助金でも行われているように、新型コロナウイルス感染症対策のための第1次補正予算によりJAPANブランドでも(特別枠)がついた事業が追加されたということです。

しかし、ものづくり補助金その他の補助金では公募要領の中に(特別枠)と(一般枠)との違いが記載されているのですが、そのつもりで「JAPANブランド(特別枠)」の公募要領を読んでみると(特別枠)の内容がどこにも説明されていないのです。

そこで3月に行われた「JAPANブランド」の公募要領と今回のそれを比較してみると、違っていたのは事業の「目的」の中のある一語でした。比較してみます。

  • 「JAPANブランド」(3月)
    全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得のための支援
  • 「JAPANブランド(特別枠)」
    全国展開、海外展開や新たな観光需要の獲得のための支援

見ての通り「インバウンド需要」「新たな観光需要」に変わっています。考えてみれば当然で、今年度中に海外からの観光客がコロナ前の状態に復旧する見込みはほとんどないので、インバウンド需要は全く期待できません。

ということは、この事業が支援しようとしている「補助対象者」のストライクゾーンのど真ん中は、「収益の柱をインバウンド需要から国内需要に切り替える取り組みを行う観光業者」であることが分かります。

ただし、それ以外ダメということではありません。そもそも「JAPANブランド」というネーミングは、日本各地の新商品やサービスをブランディングしてインバウンドを含んだ海外市場を開拓するという意味が込められているのです。

来年度以降の海外市場開拓を目指す取組みであればもちろんですが、前回3月の「JAPANブランド」に応募して不採択となった方も、現状にあわせて海外や国内での新市場を開拓するための取組みを事業計画の形で提案するチャンスかと思います。

事業予算規模は、6.7億円×2=13.4億円なっており、追加された補正予算としては決して少なくないと思います。国内需要を掘り起こしたい観光業の方はもちろん、残念ながら3月に不採択だった方も是非再応募をご検討ください。

本記事は2020/06/22時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

夏至の日や湯どころの湯に身を浴す (村越 化石)

恐縮ですが、今回は単純な個人的願望です。コロナ下での遠出自粛が解除された後の昨日の夏至の日、つくづく温泉宿にでも出かけたいなと思っていたら目に留まった句です。ただ、共感される方も多いかもしれません。