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令和2年度第3次補正予算、閣議決定
2020/12/21
12月15日の閣議で決定された令和2年度第3次補正予算の内容が公開されました。今回は経済産業省の予算総額4.7兆円について、アライブ ビジネス的目線でトピックスをお伝えします。
中小企業に関係がある“「新たな日常」の先取りによる成長戦略”(まぁなんとオシャレな政策名!)について、大枠では以下の4つのテーマにまとめられています。
1.デジタル改革、2.グリーン社会の実現、3.中小企業・地域、4.レジリエンス
ここでは中小企業向けの補助金事業に展開された、対象者の幅が広いと思われるものから3つほどご紹介します。
1)「中小企業等事業再構築促進事業」
(3.中小企業・地域 内 予算総額:1兆1,485億円)10月12日付けのメルマガで、デービッド・アトキンソン氏による「小規模事業者優遇が日本の生産性を低下させている原因」との主張について菅総理が影響を受けているとの見方をお伝えしました。
その後、アトキンソン氏は政府の「成長戦略会議」のメンバーになり、いよいよ「小規模企業の延命ではなく、中小企業の成長支援による付加価値額の増加が日本の成長のカギ」というその主張が、経済産業省の施策としてこの事業の中で具体化してきたようです。
この事業の目的は、「新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業等による、事業再構築への取り組みへの支援」としていますが、「中堅企業に成長する中小企業」への支援が重点化されています。
この事業はいくつかの枠に分けて実施されるようですが、枠の中には「卒業枠」という名前まで使われているものもあり、事業再構築によって「大規模な企業への成長を目指す中小企業」を支援するための事業であることが分かります。
2)「中小企業生産性革命推進事業の特別枠」
(3.中小企業・地域 内 予算総額:2,300億円)これまで中小企業支援の中心であった「生産性革命」はどうなるのかといえば、これはこれでしっかり予算が確保されており、お馴染みの「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」の3点セットが健在です。
この事業については公開されている内容を見る限り、これまでの「コロナ特別枠」から「低感染リスク型ビジネス枠」(ポストコロナ状況に対応したビジネスモデルの転換)という表現の変化と共に、内容が若干変わった以外、構成に大きな変化はないようです。
最後に、対象となる事業分野は比較的狭いですが、菅総理が10月に宣言した2050カーボンニュートラルに絡んだ興味ある動きをもう一つご紹介します。
3)「カーボンニュートラルに向けた革新的な技術開発に対する継続的な支援を行う基金事業(仮称)」
(2.グリーン社会の実現 内 予算総額:2兆円[2021~30年])事業名の長さにも、総額2兆円という予算にも驚きますが、予算案ついては「基金事業」という形態で、2021年以降の10年間継続するプロジェクト予算としてNEDOに2兆円を提供するという意味であり、仮に均等に使えば2,000億円/年の事業ということになります。
NEDOはその2兆円を使って今後10年間、2050年カーボンニュートラル実現のために補助金を中心とした事業を展開することになるので、自然エネルギー、省エネルギーの技術をお持ちの企業は注目してください。
以上、新型コロナ感染症対策として予算化されつつある令和2年度第3次補正予算の中から、目を引いた事業をご紹介しました。年明け以降公募が始まれば順次詳細をご案内します。
本記事は2020/12/21時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
極月の人々人々道にあり (山口 青邨)
コロナの年も押し迫り、道行く人々の心もちも、それを眺めるこちらの感慨も、いつもの年とかなり違うはずですが、その違いを前提にしても成立する不思議な句です。
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