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「脱炭素」に向けた省エネ技術開発支援

2021/01/18

NEDOから「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」という長い事業名のRFI(Request For Information=情報提供依頼)と併せて、公募の予告が公開されました。

NEDOによるRFIは、以前「1次審査に近い性格がある」とお伝えしましたが、今回ご紹介する事業に適した技術をお持ちの方は、締切の2月15日までひと月近く時間があるので、できるだけ今回のRFIに応募されることをお勧めします。

では、「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」(長いので以下「脱炭素」と表記します。)とはどのような事業でしょうか?実は、事業名は違うものの、内容は以前の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の建付を概ね踏襲しています。

即ち、エネルギー基本計画等の政府方針を踏まえ、2007年以降資源エネルギー庁とNEDOの連名で順次改定を行っている「省エネルギー技術戦略」によって定められた「重要技術」が支援対象となります。

ところで昨年の12月7日号でお伝えしたNEDOの「先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」(以下「先導研究」と表記)にもエネルギー・環境新技術分野の課題が含まれています。

普通に考えれば、省エネもエネルギー・環境新技術分野なので、二つの事業で課題が重なる場合もありそうな気がしますが、実は「省エネルギー」分野だけはなぜか「先導研究」から切り出されているのです。

理由は過去のNEDO事業が新エネルギー分野と省エネルギー分野に分かれていたことに由来しているようですが、あまり本質的な問題ではないので詳細は省きます。

ポイントは「脱炭素」が対象としている主な技術が、現在化石燃料を消費しているプロセスそのものの省エネであり、太陽光や風力他の再生可能エネルギーへの乗り換えではないという点です。

例えば、ヒートポンプの新技術で空調でのCO2発生量を削減する場合は「脱炭素」の対象となりますが、太陽熱を熱源とした革新的な冷暖房技術を開発するという場合は、「先導研究」の対象となったとしても「脱炭素」としては対象外です。

以上の話は、念のためNEDOに電話して確認したのですが、やはり、考え方も「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」と全く同じとのことでした。すでに述べた通り「脱炭素」はこの事業を概ね踏襲しており、両者が異なるのは個別スキームの上限額くらいです。

繰り返しになりますが、「脱炭素」における支援対象は「省エネルギー技術戦略」に示された重要技術です。これらに関する技術をお持ちの方は是非今回のRFIへの応募をご検討ください。

本記事は2021/01/18時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

初読みや読まねばならぬものばかり (久保田 万太郎)

「初読み」という季語は年が明けて初めて読む本を言うらしいのですが、この句はお正月休みに読もうと思っていた本がほとんど消化できずに困っている自分と重なりました。いつか「積読(ツンドク)」本がなくなる日は来るのでしょうか?