これからの技術開発、キーワードは「カーボンニュートラル」
今回は前回に引き続きNEDO事業のご紹介です。「先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に係る情報提供依頼(RFI)が公開されています。
今回のRFIは本来の委託事業の予告も兼ねており、そちらの公募開始はおよそ半年後の年末なのですが、RFIについては昨年の同事業でも同様に7月に公募されていて、このブログでも解説しました。その時の内容を大胆に要約すると、
「RFIへの情報提供は委託事業への応募の条件とされていないが、実績から考えて概ね1次公募に近いと考えるべきである」
ということです。これはあえて言えば弊社の勝手な推測なのですが、今回新たに「NEDO新技術先導研究プログラムRFIについて」というRFIに関する説明資料とそれをYouTubeで説明する動画が公開されました。そして説明資料のp2及びp8で
「RFIへの応募は必須要件ではありませんが、課題の対象外の研究開発内容は応募できませんので、本先導研究プログラムに関心のある方はRFI情報提供書をご提出ください。」
「先導研究プログラム応募のためには、RFIの提出が極めて重要です。」
などと書かれており、RFIに対して情報提供していない技術では委託事業での採択はないことをかなりはっきりと明言していて、推測が間違いではないことが確認できました。
また前述の説明資料には「先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」で採択される技術が、将来の社会実装まで見据えた国家プロジェクトを選定するのための革新的シーズとなると述べられており、この事業の位置づけが明確にされています。
また前回までと異なり、NEDOが想定しているRFIの技術分野が、参照すべき「国の戦略、ビジョンの例」として関連資料のリストの形でp15に示されています。RFIへの情報提供を検討される際は、関係技術分野の資料を必ず確認してください。
中でも最も注目すべきは2021年6月に作成されたばかりの「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」ではないかと思います。
全158頁のこの資料では表紙に10もの関連省庁名が並び、第4章では「次世代再生可能エネルギー」「水素・燃料アンモニア産業」「自動車・蓄電池産業」等々14の重要分野における「実行計画」が示されています。
政府が選出したこれら重要技術分野へのリソースの集中が、本当にカーボンニュートラルの実現につながるかについては神のみぞ知るですが、少なくとも我が国の国家予算は今後当面の間、これらの技術に注がれることは間違いないようです。
今回のRFIに応募される場合はもちろんですが、日本で技術開発に関わる事業をされている方には、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に示された14の重要分野に、一度は目を通されたほうが良いでしょう。
季節の俳句
雲の峰いよいよ雲の力で立つ (鷹羽 狩行)
ここ数日、東京では入道雲を見かけることが多かったので、掲句に刺激されてよく見つめてみました。「いよいよ」は「ますます」と読んでも「ついに」と読んでもよく意味がわからないものの、なぜか納得できてしまう不思議な句です。
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