「ちょっとしたアイデア」向けの助成金
皆さんはI-O DATAという会社をご存知かと思います。正式社名は株式会社アイ・オー・データ機器と言い、自宅のPCにつなげるWiFiルーターやイーサネットのハブ等の周辺機器をインターネットで探した場合、必ず何らかの製品を提供しているIT機器メーカーです。
今回はそのI-O DATAが提供する基金で設立された公益財団法人I-O DATA財団が運営している助成金をご紹介します。内容は大きく分けて情報通信技術の活用を支援する「研究開発助成」と、スポーツ文化振興を目的とした「スポーツ文化助成」の2本柱で構成されています。
「スポーツ文化助成」は、毎年春の成果発表会での活動報告などの応募条件があり面白いのですが、残念ながら支援対象が株式会社アイ・オー・データ機器の本社所在地の石川県に本拠地を置くチーム・団体に限定しているため、今回は触れません。
「研究開発助成」は以下の3種類で構成されています。
(A)IT による社会的課題解決・文化貢献
(B)IT によるビジネスモデル実現
(C)過去に採択された研究課題の社会実装実現
(C)だけは分かり易いですが、他の二つには補足が必要でしょう。(A)は「見落とされがちな社会的課題の解決、または文化貢献を目指す研究開発」が対象であり、(B)は「新事業または新用途の創出につながる研究開発」とされています。
助成金では「新たな市場を生み出す」「日本の産業に貢献する」などがよく使われる文言ですが、(A)で使われている「見落とされがちな社会的課題の解決」という言葉は、だいぶ趣が異なります。
これは、財団のホームページで謳われているように、特定の専門分野や業界の中で評価された技術や、先端的な技術ではなく、「ごくささやかな働きかけではあっても、より多くの人に届けるべき価値を見出」すことを目的にするとの理念と通じている気がします。
公開されている過去の採択者紹介を見ても、なんとなく雰囲気が伝わります。2つほど例を挙げましょう。
- 特殊詐欺撃退のためのアナログ電話アダプタの研究開発(第4回研究開発助成)
- なわとびアプリを活用した、小・中学生、障害者の体力向上(第3回研究開発助成)
助成金額は(A)(B)が250万円、(C)が200万円と決して高額ではありませんが、100%支給であり、その支払い時期も原則事業期間終了後ながら「やむをえない事情があり、財団が認めれば」、事業開始時と中間期の2分割での前払いを認めています。
日々の業務の中で思いついた「ちょっとしたアイデア」を実用化したいといった時に使いやすい助成金かと思います。もしそのようなアイデアがあれば、大げさに考えずチャレンジされては如何でしょうか?
季節の俳句
我が町の何処も香る金木犀 (青木 光子)
9月に咲いたときはタイミングが合わなかったので、今回は金木犀そのまんまの句を選びました。春は梅の花がそうですが、「我が町」という気分にしてくれる香りです。
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