支援金付ものづくりベンチャー対象のコンテスト - 研究開発系補助金のスペシャリスト アライブ ビジネス

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支援金付ものづくりベンチャー対象のコンテスト

2022/10/31

通常は隔週、月2回のペースで月曜日に補助金のご紹介をしていますが、今月はたまたま31日が3回目となったので、少々変則ですが、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターによる「Tokyo ものづくり Movement」をご紹介します。

(ご参考:Tokyo ものづくり Movement公式サイト(東京都立産業技術研究センター))

応募要件は原則創業3年以下で、現在東京都内に登記しているベンチャー・中小企業または小規模事業者と地域限定ですが、他に「令和5年度末までに都内での創業を計画している個人」も対象となるため、かろうじて全国区と言えなくもありません。

また、この事業は補助金の公募ではなく、いわゆる「コンテスト」ですが、以下のような支援があることから、ものづくりベンチャー(又は起業予定者)への支援事業である点が補助金と共通しています。

  • 書類および面談審査合格者は、コンテスト出場のための試作製作時に江東区青海にあるデジタルものづくりサイト内の3Dプリンター他の設備を無償で利用できる。
  • 試作に関して専門家による技術支援が受けられる。
  • コンテスト通過者はアクセラ支援として上限1千万円が供与される。また、専門家による無料の事業化支援が提供される。

もっとも、補助金であれば必ず申請内容で求められる「補助金の使い方」(事業経費明細)に該当する「支援金1千万円の使い方」が、応募申請書の項目に含まれていないところは、やはり「コンテスト」なのでしょう。

評価基準で求められるものは、「製品の魅力」「事業の具体性・成長性」「試作品の実現性」「計画の実現性」ということになりますが、ものづくりベンチャーの育成という趣旨からいうとやはり「製品の魅力」が最も重視されると思われます。

その面から、審査対象となる「試作の実現性」という評価基準にこのコンテストの特徴があります。その特徴とは、まず、10月25日から始まっている応募期間は、締切の12月16日を待たず、書面審査・面接審査が先着順に行われるという点です。

次に、面接試験を通過した応募者が次の試作工程に移り、そこで専門家の支援が受けられるとい点も特徴の一つです。これは、前述のデジタルものづくりサイト内の3Dプリンターを使った試作製作であり、その出来栄えが審査合格のための最後の評価項目となるのです。

「試作支援」の期限は1月上旬とされていることから、仮に12月16日の応募期間ぎりぎりに申請すると、試作を行うための期間は1週間もないかもしれません。

つまり技術専門家の指導を受けながら試作製作にじっくり時間をかけたほうが有利と考えられるので、ある意味早い者勝ち的な要素も含まれるコンテストとなっているのです。従い、応募する場合は、試作製作の時間を確保すべく、できるだけ申請書の提出を急ぎましょう。

本記事は2022/10/31時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

みな大き袋を負えり雁渡る (西東 三鬼)

実は三鬼の句はあまり好きではないのですが、掲句だけはなぜかこの季節になると思い出します。そう、みんな、なにやかやと大変なのです。