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令和4年度補正予算の継続補助金と新たな研究開発系予算枠

2022/11/14

今回は、令和4年度 補正予算を解説します。(ご参考:中小企業庁「令和4年度補正予算関連」

11月8日付で令和4年度補正予算案が閣議決定されました。昨年と比べてあまりびっくりするような大変革はありませんが、いくつかの事業や予算枠で変化がありました。

まず、注目の事業再構築補助金の予算は5,800億円と、昨年度の6,123億円から縮小されたものの、相変わらず中小企業向け補助金としては断トツの規模で継続されるようです。

この事業はもともと2019年度の売上と比較してコロナ禍の影響で売り上げが下がった、【売上高等減少要件】を満たす企業のみが対象だったのですが、前回の第6回公募でこの要件を不要とする「グリーン成長枠」が追加され、今後は同様にこの要件を撤廃した「成長枠」が追加されるとのこと。

公開資料上では「成長枠(旧通常枠)」とされているので、これまでの基本形とされていた枠から【売上高等減少要件】が撤廃されることになり、逆にこの要件が提供される枠が少数派になるのかもしれません。

一方で、上限7,000万円の「産業構造転換枠」や、海外から国内への回帰を促進する上限5億円の「サプライチェーン強靭化枠」など、ますます「品揃え」が増え、「事業再構築」の一言ではくくれない事業になってきた印象です。

次に、ものづくり補助金を含む「生産性革命推進事業」について。

ものづくり補助金のほか、IT導入補助金、持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金と併せて合計2,000億円の予算です。この規模は昨年度の2,001億円とほぼ同額です。

この予算規模は、コロナ禍前から大きく変わっていないことから、これからも当分維持されると考えてよさそうです。ただし、個別の補助金の内容は世の動きに準じて少しずつ変わってきています。

一つ目として、ものづくり補助金の予算では、「グリーン枠」について前回まで上限額は従業員数により1,000万円~2,000万円の3段階に分けられていましたが、枠そのものが「エントリー」、「スタンダード」、「アドバンス」に細分化され、上限額もそれぞれ1,250万円~4,000万円と増額されました。

事業再構築補助金の「グリーン成長枠」と何が違うのか、現在の情報だけではよくわかりません。事業再構築補助金のそれは上限額こそ1億円と高額なものの、例えば必要な補助金額が5,000万円前後の場合、どちらに応募すべきかはかなり悩ましいかもしれません。

二つ目として、持続化補助金とIT導入補助金はともにインボイス対応に重点を置いた構成になるようです。持続化補助金では課税事業者に転換する場合上限額50万円の上乗せが行われ、IT導入ではインボイス対応ツールを優遇する方針に見えます。

さて、以上の補助金は経済産業省令和4年度補正予算の中の中小企業等支援という予算枠の中に含まれているのですが、今回の補正予算全体を見ると「新しい資本主義の加速」という新たな予算枠が追加された点が目を引きました。

この予算枠は、(1) GX・DX、(2)スタートアップ、(3)科学技術・イノベーション、(4)人への投資の4項で構成され、公開された情報を見る限り補正予算とは思えない中・長期的な課題が並んでいて驚かされます。岸田首相の肝いりということでしょう。

特に(2)スタートアップや(3)科学技術・イノベーションについては、ディープテック・スタートアップ支援に1,000億円、経済安全保障重要技術の育成に1,250億円など、かなり高額な補助金予算が散見されます。

単純な設備投資やシステム開発のための補助金であれば事業再構築補助金やものづくり補助金で問題ありませんが、先端技術によるイノベーションを目指す研究開発系の予算が必要な場合は、「新しい資本主義の加速」枠の予算の動向も注目すべきかと思います。

本記事は2022/11/14時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

冬の日のいま松に落ち畔に落ち(水原 秋櫻子)

秋櫻子は冬の季節を静かに黎明に切り取る句が多いように思いますが、掲句については景色の中で日が落ちていく贅沢な時間の要素も含まれていて、肩の力が抜ける感覚を覚えます。

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