第17次ものづくり補助金はどうなる?
そろそろ事業再構築補助金の第12回公募が始まるのでは…と、この数週間期待していたみなさんも多いことでしょう。当社も同様です。
しかし、内閣官房行政改革推進本部事務局による「秋のレビュー」を踏まえ、第12回以降の事業再構築補助金のあり方が廃止を含めて大きな見直しが行われるようです。
その影響かはわかりませんが、ものづくり補助金の公募開始もかなり遅れています。ただし、17次公募から新たに追加となる枠と従来枠の再編に関する資料は公開されました。
おそらく17次公募は間もなく開始と思われるので、今回はこの資料「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について(Ver.1.0)」(令和5年12月版)に沿ってその内容をご紹介します。
先ず、新規枠である<省力化(オーダーメイド)枠>について。驚くのは補助金上限額の大幅増で、従業員100人以上の場合8,000万円、さらに大幅賃上げによる特例が適用されれば1億円とのこと。
16次までの上限額の最大は、大幅賃上げによる特例を除けば<グリーン枠(アドバンス型)>で従業員が21人以上の4,000万円だったので、一挙に2倍になりました。
ただし、<省力化(オーダーメイド)枠>では小規模事業者以外の中小企業の補助金を算出する方法がこれまでと異なり、補助金額1,500万円を境に補助率が1/2から1/3に減少するという、少々不利な条件が付いています。
詳しい計算は省きますが、上限の8,000万円の補助金を獲得するための税抜きの総事業費は、2億2,500万円。消費税を除外しても自己負担額は1億4,500万円、すなわち約64%に相当します。あまりうれしくないですね。
一方、小規模事業者の場合は補助率2/3とされていて、補助金額にかかわらす一定のように表記されています。この場合、8,000万円の補助金を得るための自己負担額は税抜きで4,000万円なので、中小企業と比べて大いに有利、というより差が大きすぎます。もしかしたら公募要領で修正されるかもしれません。
では<省力化(オーダーメイド)枠>の内容はどんなものか?資料によれば「人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入等」への投資を支援するとあります。
これだけ見ても従来の<デジタル枠>とどう違うのかよくわかりませんが、キーワードとなる「デジタル技術等」と「オーダーメイド設備」の説明文にヒントがあるようです。
「デジタル技術等」とは「AI、ロボット、センサー等」であり、「オーダーメイド設備」とは、「外部のシステムインテグレータ(Sier)との連携などによりロボットシステム等を構築したもの」との解説がついてます。
要するに生産ラインへのロボット投入に限定した支援と思われます。人手不足をロボット化で解決しようという考えのようですが、対象は製造業が中心となりそうです。
もっとも最近は、プロの技を伝授された生ビールを注ぐロボットも現れ、サービス業への導入もないわけではありません。
いずれにしろロボットを生産している大手メーカーとそのSierにとっては中小企業市場の拡大につながる嬉しい補助金かと思います。
また、17次公募に関する資料ではこれまでの枠構成が大きく見直されるとの説明がされているので簡単に触れます。
16次公募まで、枠組みは<通常枠><回復型賃上げ・雇用拡大枠><デジタル枠><グリーン枠><グローバル市場開拓枠>の5つで構成されていました
17次公募ではこれが、通常類型/成長分野進出類型(DX・GX)からなる<製品・サービス高付加価値化枠>と<グローバル枠>の2枠に統合されるとのこと。まあこの点は、単純にすっきりさせたと考えてよい思います。
17次公募での申請を計画されている方は是非今回公開された資料で事前に情報収集をしてください。
季節の俳句
再びは生まれ来ぬ世か冬銀河 (細見 綾子)
冬銀河かくもしずかに子の宿る (仙田 洋子)
歳時記でうろ覚えの綾子の句を確認しようとして、何気なく仙田洋子の句にも目が行きました。いずれこの星を去るわが身と、間もなくこの星に生まれる命の句はともに女性の作ながら、過去に大銀河を前にしたときの、来し方行末に思いを馳せた経験につながります。
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