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17次ものづくり補助金、公募開始

2024/01/16

17次ものづくり補助金公募開始昨年末、大きく遅れていた17次ものづくり補助金の公募要領が12月27日付けで公開されました。申請期間は2月13日~3月1日とのこと。

12月12日のブログでは、中小企業庁の技術・経営革新課による令和5年12月版の資料(以降「12月版資料」)に基づいた第17次公募以降の変更点をお伝えしましたが、今回の公募要領の内容は12月版資料と比較すると、いくつかの重要な点で修正があったようです。

17次公募での公募枠は1種のみ

17次公募以降は、これまで5つあった公募枠を「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の3つに再編するとされていましたが、17次公募に限り「省力化(オーダーメイド)枠」のみの公募に絞られました。

18次公募では3枠とも公募するとの記載がありますので、これは単純に残る2枠の内容が固まらなかったためではないかと思われます。

「デジタル技術等」の範囲が拡大


17次で公募される「省力化(オーダーメイド)枠」の対象事業の説明の部分にある「デジタル技術等」の説明文に修正がありました。

12月版解説では「AI、ロボット、センサー等」とされていたのですが、公募要領ではこれに「ICTやIoT」が追加されていたのです。

細かい事と思われるかもしれませんが、冷静に考えていただくと、いまや従来技術ともいえる「ICTやIoT」に含まれる技術範囲が大変広いことをご理解いただけると思います。つまり対象事業の範囲が大きく広がったということです。

ただし、「ICTやIoT」であっても外部のSIer(システムインテグレータ)との連携が条件とされているので、単にハードやソフトを購入するだけでは応募できないという条件は付いてきます。

中小企業と小規模(または再生)事業者との補助率の違い

12月版資料で示されていた補助率についての記述

中小企業:1/2(補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円を超える部分は1/3)、小規模・再生事業者:2/3

について、中小企業と小規模・再生事業者とのが大きすぎるので、「公募要領で修正があるかも」とお伝えしましたが、予想通り下記のように修正されました。

中小企業:1/2、小規模・再生事業者:2/3(補助金額1,500万円までは1/2もしくは2/3、1,500万円を超える部分は1/3)

単純な記載ミスだったのでしょう。

重要な修正部分は以上の通りですが、12月版資料で「追加要件あり」と予告されていた内容が明らかとなったのでお伝えします。

17次公募の追加要件

  1. 3~5年の事業計画で示さなければならない経営指標が、付加価値に加えて労働生産性も要求されています。労働生産性=付加価値額÷(労働人数×労働時間)なので極端な要件ではありませんが、労働時間の短縮が大きな要素として含まれることになります。

  2. 金融機関から補助事業のための資金調達を行う場合、金融機関による確認書【様式5】を添付しなければいけなくなりました。【様式5】はまだ公募サイト上で公開されていませんが、内容次第では応募のための難関になるかもしれません。

  3. これまで書類審査のみであった審査内容に、オンラインでの「口頭審査」が追加されます。「一定規模以上の申請を行う事業者」が対象とのことで全応募者ではないようですが、それにしてもものづくり補助金始まって以来の大きな変化ではあります。

本記事では簡単に書きましたが、どれも内容的にはかなり影響が大きい追加要件と考えます。現在はヒントとなる「参考様式」「電子申請マニュアル」が未公開のため詳細不明の項目もあるので、今後の追加情報に注目しましょう。

本記事は2024/01/16時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

松過ぎの又も光陰矢の如く (高浜 虚子)

虚子にしては俗っぽい句かと思いますが、共感する人も多いのではないでしょうか?
国内外で昨年から続く戦争や不祥事に加え、特に今年は元日から立て続けの大災害や大事故のニュースに翻弄される正月でした。
掲句以上に心が落ち着かない年の初めですが、戦争や災害で苦しんでいらっしゃる方たちに思いを馳せつつ、今年こそ良い年となるように祈りましょう。