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ものづくり補助金18次公募、いよいよ始動

2024/02/14

ものづくり補助金の18次公募が始まりました。締切は3月27日とのこと。なんと17次公募締切の3月1日から4週間もありません。

17次の公募要領に「応募する事業者は、18次締切の公募には応募できません」と書かれていた意味がわかりました。採択結果がわかる前に18次の締切がきてしまうからです。17次の申請内容をブラッシュアップしての大量の再応募を嫌ったのでしょう。

令和5年度補正予算でのものづくり補助金の公募は2回

ものづくり補助金はここ数年ほぼ年4回公募の応募者が多い事業です。そのため、年末の補正予算確定の頃、中小企業庁が同事業単独の解説資料を公開することが恒例化していました。この資料では、補正予算後の改定内容が解説されます。

一昨年の令和4年度も第2 次補正予算が承認された直後の11月に解説資料が公開。その後のものづくり補助金について「速やかに14 次公募を開始予定。その後も令和6年度まで切れ目なく公募を実施予定。」と威勢の良い書きっぷりでした。

現に令和5年1月公募開始の14次から8月の16次公募開始まで3回は概ね4か月間隔で順調に執行されました。ですが、実際は「令和6年度まで切れ目なく」とはいきませんでした。

11月に期待されていた17次公募は令和5年度の補正予算の成立まで保留。公募開始は12月27日となりました。

この理由はいまだにはっきりしません。12月26日付のブログ「ものづくり補助金&事業再構築補助金の「怪しい」(?)関係」に記載の通り、コロナ後の事業再構築補助金の予算が11月に見直されたことが、ものづくり補助金も影響した可能性はあります。

そして、2月になってやっと中小企業庁版ものづくり補助金解説が公開されました。前年度「令和6年度まで切れ目なく」と書かれていた同じ部分が「17次、18次公募の2回実施。」としか書かれていません。4月以降の公募は行われないようです。

ものづくり補助金18次公募はフルラインナップ

17次公募は「省力化(オーダーメイド)枠」のみでしたが、18次公募では下記の枠も公募されています。

製品・サービス高付加価値化枠

通常類型成長分野進出類型(DX・GX)の2類型が設けられています。

共通する要件は、事業計画期間内に、新規事業の売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画であることです。

成長分野進出類型については上記に加えて以下の2種のいずれかが要求されます。
  • DXに資する革新的な製品・サービスの開発」
  • GX(グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決)に資する革新的な製品・サービスの開発
DXの説明は「AI、IoT、センサー、デジタル技術等を活用した」とされています。省力化枠との違いは「ロボット」「Sierとの連携」というワードが抜けていることでしょうか。

またGXの説明にあるグリーン成長戦略「実行計画」14分野は以下のとおりです。
出典:経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(概要資料)p23

グローバル枠

以下の4種の「海外事業」を実施し、国内の生産性を高める取組みが対象です。

(1)海外への直接投資に関する事業
(2)海外市場開拓(輸出)に関する事業
(3)インバウンド対応に関する事業
(4)海外企業との共同で行う事業

(1)~(4)ともその内容が公募要領に例も添えて説明されています。応募する場合はよく吟味してください。

以上の通り、18次公募の後、令和6年度中のものづくり補助金の公募は当面なさそうです。応募される方はしっかりとした事業計画を準備してください。

なお、弊社が得意とする研究開発系の補助金は相変わらず年間を通して多数の公募が行われています。適宜ご紹介しますのでご注目ください。

本記事は2024/02/14時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

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春の雪しきりに降りて止みにけり (白雄)

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