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年度末締切 ベンチャー向け大型支援事業は今から準備を
2024/10/15
コンサルタントの淡河です。今回はJSTによる2024年度のA-STEP事業のうち「研究成果最適展開支援プログラムA-STEP/実装支援(返済型)」について解説します。
A-STEPは申請前準備期間が必要

ただし、今年度の公募期限2025年3月末の申請には、そろそろアクションを始めないと間に合わないので、昨年に続いてこの時期のご案内としました。
時間が必要なのは、応募に際して予備面談が必須であること。また、それに続き応募相談(デューデリジェンス)が必要なこと。応募相談で事業計画・返済計画の妥当性が確認されないと応募ができないという条件が付いているのです。
応募相談にはそれなりの資料が必要です。さらに応募相談から正式応募可能となるまで2~3ヶ月程度はかかるとされています。したがって準備から申請完了までの期間として半年程度を要するのです。
A-STEPの特徴と採択実績
事業については昨年公開のブログに詳述していますのでご確認を。今回は、特徴だけ列記します。- 大学等での研究成果を社会実装することを目指すベンチャー企業等に支援対象を限定
- 採択された場合、最長3年の開発期間中、開発費上限5億円はJSTが負担
- 開発期間終了時、評価委員会による事後のS、A、B、Cの4段階評価を実施
- 結果がS、A、B評価の場合は、開発費全額を最長10年以内に返済する
- 結果がC評価の場合、実施企業は開発費の10%を返済する
前回のブログでは、成功した場合、返済額が負担にならないほどのハイリターンが期待できる課題でありながら、失敗時の資金的なリスクを1/10に縮小してくれる支援スキームであるとまとめています。
ただし、本事業の開始が2022年度のため、前回は、採択された研究課題の情報がありませんでした。
ありがたいことに今回は採択実績が公開されていました。詳細はこちらの「支援実績」をご覧ください。時間がない方のために採択企業の要点だけまとめておきます。
社名(研究母体) | 技術分野 | 採択年月 |
---|---|---|
株式会社Kyulux(九州大学) | 次世代有機EL材料の事業化 | 2023年3月 |
株式会社テックラボ(愛媛大学) | CFRP(炭素繊維強化樹脂)製 大型バーミラーの事業化 | 2024年3月 |
Tokyo Artisan Intelligence株式会社 (東北大学) | 映像処理AIの事業化 | 2024年4月 |
株式会社アーバンエックステクノロジーズ (東京大学) | 都市インフラ管理の デジタルサービスの事業化 | 2024年6月 |
SORA Technology株式会社(JAXA) | UAV空撮画像のAI処理を用いた 感染症対策サービスの事業化 | 2024年7月 |

ただ、ハイリスク/ハイリターンの最先端の技術分野であれば、大学等からのスタートアップにとっては有力な支援事業の一つであると考えます。
本記事は2024/10/15時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
天上の声の聞かるゝ秋うらゝ (野田 別天樓)
やっと「秋」がやってきました。無宗教者であっても天の声が聞こえてくるような季節です。年々短くなるようなので大事に過ごしましょう。
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