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令和6年度補正予算、目玉は「中小企業成長加速化補助金」

2024/12/17

令和6年度補正予算が衆議院通過コンサルタントの淡河です。11月末に閣議決定された令和6年度の経済産業省関連補正予算案が、12日に無事、衆議院を通過しました。

今回のブログでは、この中から中小企業向け補助金に関する予算案を解説します。

ざっくり言って、昨年度の令和5年度に実施された補助金を概ね踏襲。加えて、予算額が幾分大きくなるようです。

では、それぞれの補助金等を昨年度と比較してみましょう。

ものづくり補助金等

持続化補助金、IT導入補助金、事業承継補助金等を合わせた「中小企業生産性革命推進事業」。昨年度、2,000億円の予算を組んでいましたが、今年度予算では3,400億円に増額しての継続です。

そして、昨年度は3月の公募を最後に打ち切りとなった「ものづくり補助金」。しっかりと補正予算案に明記されており、予算を考えると今年度は回数が増えるのではないかと期待しています。

また、この中小企業生産性革命推進事業に、「中小企業成長加速化補助金」という設備投資の補助金が新設されます。

こちらは中小企業庁が公開している令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連予算)」を参考に説明しましょう。


中小企業成長加速化補助金


さて、前出の新たな補助金である「中小企業成長加速化補助金」です。中小企業へ設備投資支援
大枠としては、売上高100億円を目指す中小企業等による設備投資への支援と考えてよいでしょう。

資料によると補助対象には建物費も含まれていることから、そこそこ上限額の大きい補助金かと思われます。

さらに、「中小機構(注:中小企業基盤整備機構)によるM&A・海外展開・人材育成等への支援」も記載されています。

これはおそらく別建てされている「100億企業育成ファンド出資事業」を原資とした総額30億円のファンドのことでしょう。

ということは、100億企業の育成を目指して、補助金を提供するだけでなく出資も行うということです。これは、これまでにない建付けの支援事業となります。今年度の補正予算の目玉事業になりそうです。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金


この補助事業は、「大規模」とあるように、建物費を含む、補助金の上限が50億円という大型設備を支援する補助金です。今年度も継続され、国庫債務負担含め総額3,000億円という規模も昨年度と変わっていません。

また、今年度も中小企業だけでなく、従業員2,000名以下という「中堅」企業も対象です。これにより相当数の大企業からの応募が考えられるため、昨年度と同じく20倍程度の競争率となることが予想されます。

「成長力の強化」系投資促進事業


ディープテックやスタートアップへの支援これらの事業は、ポスト5G事業のように大企業が対象となる基盤整備支援事業が中心です。しかし、半導体、AI、量子技術等のディープテック系の研究開発への投資や、スタートアップ支援のための予算を含みます。

基盤整備支援を含むため、総額として2兆円の大型予算が申請されています。これは昨年度とほぼ同様ですが、個別の分野でスタートアップを対象とした補助金がちりばめられているので、公募のタイミングを見逃さないよう注意が必要です。

さて、いずれの支援事業も今のところスケジュールが公開されていないものの、臨時国会終了直後から年始にかけて予告が発表される可能性が高いでしょう。利用を考えていらっしゃる方は注目していてください。

本記事は2024/12/17時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

季節の俳句

世に遠きことのごとしや鷦鷯(みそさざい) (加藤 楸邨)

ミソサザイは小さくて、やたら高い声で囀ります。先日久々に高尾山に登ってそれらしき声を聴きました。鳥自身が人の憂世から遠いのか、世事に悩む自分自身が小鳥を見て羨んでいるのか、どちらともとれる句です。