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社会課題解決のための研究開発を支援~SBIR推進プログラム
2025/05/27
コンサルタントの淡河です。この時期は、大型の研究開発支援事業の公募が増えます。今回は、NEDOの2025年度「SBIR推進プログラム」(一気通貫型)をご紹介します。
日本版SBIR制度とNEDOの役割

- SBIRはSmall/Startup Business Innovation Researchの略
- 事業名にSBIRを含む場合は、日本版SBIR制度に基づく事業
- SBIRの先頭の「Startup」は2021年度に追加された文言
さて、この制度は、革新的技術を持つスタートアップ等を支援するものです。研究開発と社会実装を政府が省庁横断で支援します。そのNEDO版が「SBIR推進プログラム」というわけです。
サブタイトルは「一気通貫型」のほかに「連結型」があります。後者は他省庁の事業と接続するものです。公募が行われた際にご紹介します。
SBIR推進プログラムの7つの課題と2つのフェーズ
さて、本事業の目的は、社会課題解決に資するスタートアップの支援です。研究開発促進と事業化を一体的に支援します。ただし、対象は7つの課題に限定。応募の際には、研究開発内容がどれかに該当する必要があります。面白いのは、これら7つの課題(各課題は、本助成金の解説ページを参照)の課題設定元が公募要領に明示されていることです。経済産業省、主に製造産業局内の各課が課題設定元です。
そして、その7つの課題は、2つの研究開発フェーズに分けて公募しています。
研究開発段階に応じて2つのフェーズから選択
一部を除いて、各課題には取り組みの段階に応じ、フェーズ1とフェーズ2の2種があります。フェーズ1は、助成対象費用:2,000万円以内、NEDO負担率:100%です。社会課題解決に向けた技術シーズの概念実証(PoC)や実現可能性調査(FS)が対象です。事業化計画の策定段階です。
フェーズ2は、助成対象費用:1億5,000万円以内、NEDO負担率:2/3です。PoC・FSを経たスタートアップが対象です。実用化・事業化に必要な研究開発を実施します。5年以内の事業化を目指します。
ただし、7つのうち、以下の2つの課題はフェーズ2のみです。ご注意ください。
- 製造業・工程内物流における協働モバイルマニピュレータ開発
- サービスロボットの稼働率・利便性の向上のための開発
NEDO負担率100%の場合は委託事業?
さて、通常、支援機関の負担率が100%の事業は「委託事業」です。この場合、消費税も支援機関が負担します。しかし、本事業の公募要領には明記がありません。
調べたところ、応募様式の「1-2補_開発スケジュール及び支出計画」で確認できました。
「10.支出計画」の注意書きに「NEDOへ計上する助成対象費用は、消費税抜き額になります。」とあります。これにより、フェーズ1でもNEDO負担が100%の助成金であることが確認できました。
提出資料のポイント

1点目は、メインの事業計画書の形式がPowerPointであることです。これには項目ごとに詳細な説明が書かれた「記載要領」が提供されています。十分参照し作成してください。
2点目は、事業計画を解説するMP4形式の動画提出が必須であること。10分以内とのことです。これは動画撮影に不慣れな人は協力が必要かもしれません。
いずれも最近増えつつある傾向です。応募される方は、余裕をもって申請準備を進めてください。
本記事は2025/05/27時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
六月を綺麗な風の吹くことよ (正岡 子規)
初夏の句では最も有名な一句かと思います。梅雨前の、夏の暑さが予感されつつも爽やかさが残っている、今となってはほんの一時だけ味わえる貴重な風です。
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