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IT・AIを活用した医療機器の開発に6,000万円
2025/07/08
コンサルタントの淡河です。今回は、令和6年度に始まったAMEDによる中小企業向け医療システム開発の支援事業「デジタルヘルスケア開発・導入加速化事業」をご紹介します。
3月28日締切の1次公募に続き、現在は2次公募が行われています。
期待されるSaMD等によるメリット
さて、本事業はSaMD(Software as a Medical Device/プログラム医療機器)等の開発支援事業です。本事業でのSaMD等とは、SaMDを含むデジタル技術を用いた診断や治療を支援するソフトウェアを指します。そして、支援対象となる技術はSaMD等による医療従事者の負担軽減効果、経済的効果等のメリットを評価し、エビデンス構築を行う研究開発です。
具体的な事例を示します。
- 診療をデジタルで代替し、医療従事者の業務の効率化に寄与
- 専門医が行う診療をAI等で補助・代替し、非専門医による診療を支援
- 外科手術の支援プログラムにより医療従事者の心理的負担を軽減
目指すは世界レベルのSaMD市場
さて、上述のSaMDについて、公募要領では大いなる懸念が示されています。世界市場が2028年までの年平均成長率(CAGR)では約26%、規模では249億ドルに達すると予測される一方、国内出荷高は50億円程度で横ばいであるためです。すなわち、本事業が目指すところは、国内SaMD等の市場がこの世界市場に追いつくことなのです。
2次公募は「短期決戦」
ところが、大きな期待がかけられているものの、本公募は日程的にかなり厳しい状況です。今回募集中の2次公募の締切は7月25日とあまり日がなく、今から準備を始める場合はかなり頑張らないといけません。
さらに、その後のスケジュールを見ると、採択決定後の事業開始が11月半ばにも関わらず、事業完了時期は2026年3月末。なんと事業期間が5か月もありません。
2次公募の位置づけ
なぜこのような短い事業期間で2回目の公募を行ったのか?と1次公募の内容を見て納得いきました。以下の事実を考えあわせれば推察できます。- 1次の公募期間は2025/2/28~3/28、2次は同6/25~7/25
- 採択後の事業期間は、1次は7月からの約9か月、2次は11月からの約5か月
- 1次の採択予定課題数は12件・採択件数は7件、2次の採択予定課題数は6件
さらに1次の公募要領には1次の記載がありません。1次の採択件数が予定に及ばす、予定していなかった2次の公募を実施したことは明らかです。
タイトスケジュールのメリット
さて、締切間近にもかかわらず、この時期に本事業をご紹介したのには理由があります。- 既に研究課題が明確で、短時間で事業計画が作成可能
- 5か月以下の研究開発期間で総額1億円を超える研究開発費が使い切れる
この条件に該当する方は多くないでしょう。1次公募の採択率は、7件/31件(22.5%)でしたが、2次の競争率は1次ほど高くないと予想されます。
我こそはと思う方は、頑張ってチャレンジしてください。
一方、本記事を読んでAI等で医療分野に参入したいと思われた企業の方。恐らく来年度も2月頃公募が行われるでしょう。
準備開始には今がちょうど良いタイミング。今回の公募内容を参考に早速とりかかってください。
本記事は2025/07/08時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
炎天へ打って出るべく茶漬飯 (川崎 展宏)
今年は梅雨明けのかなり前から炎天ですが、いよいよ本番となりました。外回りの方などは腹ごしらえをし、気合いを入れてお出かけください。
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