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D-Global、切れ目のない研究開発スタートアップ支援
2025/08/18
コンサルタントの淡河です。今回は文部科学省傘下のJSTによる「大学発新産業創出基金事業/ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム」(以降、それぞれ「本基金事業」/「D-Global」)をご紹介します。
民間企業も参画できる「大学発」向け支援事業
まず、「JST」と「大学発」の文字を見ただけで民間企業は関係ない、と思わないでください。とにかくD-Globalの対象者の条件を見てみましょう。「技術シーズの事業開発に責任を有する事業化推進機関および研究開発に責任を有する研究代表者が共同代表者」とのこと。ここでいう「研究代表者」とは大学等の研究機関に所属する研究者です。一方「事業化推進機関」は、「スタートアップの事業育成や資金調達に関する実績」があり、「資金調達や経営者人材の育成」等々を行うことができる、とされています。
要するに「事業化推進機関」は、昨今インキュベーション型やハンズオン型といわれるVCが該当するということ。つまり、民間のVCと大学の研究者の連携体でも応募条件を満たすのです。
D-Globalの位置づけ
お気づきの通り、D-Globalを含む本基金事業は、2022年11月から内閣府が推進する「スタートアップ育成5か年計画」の一環です。これは、これまで何度かご紹介しているNEDOのスタートアップ支援事業のJST版と言えます。ただし、D-Globalは委託事業です。すなわち、研究開発に必要な直接費用の全額が消費税を含めて支援されるのです。この点が、補助率2/3のNEDO事業とは異なります。
さて、その研究開発費の上限額は「原則3億円、正当な理由がある場合5億円」とされています。
さらに直接経費の30%が間接経費として上積みされるので、正当な理由が提示できれば実質6億5,000万円がD-Globalの上限額です。起業準備の資金とすればかなりのものではないでしょうか?
D-Globalの支援範囲
また事業としての研究開発期間は令和8年度から11年度の3年間です。この3年間に6億5,000万円の資金で達成すべき目標は何か?公募要領では「起業し、VC等が投資判断できる段階まで到達していること」とされています。
研究開発費としての対象費目は物品費・旅費・人件費・その他(知財費他)とフレキシブルであり、しかも市場調査費など事業化推進機関の費用も支援対象です。
昨今スタートアップをハンズオン支援するVCも増えていますが、支援候補リストの中に前出の条件に合致する起業前の研究者がいれば、「事業化推進機関」として連携し、「共同代表者」の立場で応募することが可能です。
また、研究開発分野については特に制約はありません。「国際市場への展開を前提」とすることのほかはSDGsへの貢献が求められている程度でかなり開かれています。
D-Globalにおける事業化推進機関
さて、研究開発期間内に起業した場合、D-Globalとしての支援は原則としてそこで終了です。ですが、本基金事業では、起業後最長1年間の支援の継続を謡っています。その中で、NEDOのDTSU等スタートアップ支援事業へのリンクに言及している部分があります。
このことから、D-Globalでの「事業化推進機関」は、起業後もスタートアップを支援し、NEDOのDTSU等に向けて「マスターVC」の立場で事業化を目指すことが想定されているようです。
もしこの基金事業が合致する立場であれば是非応募されることをお勧めします。
本記事は2025/08/18時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
嶺の星いろをかへたるキャンプかな (加藤 楸邨)
日々焦げ付くような暑さが続いているので、涼味を求めて探した句です。昔はよくバイク仲間とキャンプにいったので、黄昏時からの空の色の変化やひぐらしの声、熾火の揺らぎなど懐かしく思い出します。
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