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政権交代と補助金を読む

2025/09/11

政権交代と補助金コンサルタントの南郷です。先日、石破首相が電撃的に辞意を表明しました。さて、政権交代で補助金は動くのでしょうか。今回は、補助金への影響と補助金をご検討の皆様の「心構え」を整理していきます。

辞意表明のタイミング

9月7日、石破茂首相が辞意を表明。与党は臨時総裁選へ移行します。

会見では、「自由民主党総裁の職を辞する」と述べ、米国との関税交渉に一区切りがついたことを決断のタイミングとして示しました。与党内の分断拡大を避け、通商合意の節目でバトンを渡す選択だったと受け止められます。

石破政権の実績(肯定評価のポイント)

最低賃金の大幅引上げ短期政権ながら、少なくとも2点は次政権へのプラスの資産と言えます。

第1に、日米の関税・投資パッケージで道筋をつけ、通商面の不確実性を一定程度圧縮したことです。

第2に、最低賃金の大幅引上げです。2025年度の全国加重平均は1,121円(+66円、+6.3%)。賃上げを前提に、省人化投資や生産性向上を促す政策ドライブを強めました。

補助金は変わるのか

さて、私たちが気になるのはやはり補助金への影響です。

当年度の公募・交付決定案件は、成立済み予算に基づく運用が原則。政権交代のみを理由とした途中停止は例外的です。

実務的に揺れやすいのは来年度以降の「重点付け」と「評価軸」スキーム名や配点、加点項目のメリハリは付け直される可能性があります。

一方、賃上げを伴う省人化、サプライチェーン強靱化、GX/DX、R&Dから実装・量産への橋渡しといった超党的テーマは継続性が高いでしょう。

最低賃金UPの「副作用」

条件達成が難化ただし、石破政権のプラス評価となる「最低賃金の大幅上昇」は、その副作用も同時に残すことになりそうです。

それは、いくつかの補助金が「最低賃金+30円」等の賃上げを採択条件や加点要件としているためです。こういった事業は、未達の場合の補助金返還条件も設けていますが、条件達成が難しくなる可能性があります。

当然、人件費のベースが上がると、達成に必要な原資や生産性改善幅の確保がシビアになります。ということは、申請段階で賃上げの原資設計(価格改定の運用、歩留まり改善、稼働率向上、残業構造の見直し等)を具体的に描く必要が高まります。

自治体の補助金は…?

また、国の再設計があっても、東京都など自治体独自の事業は原資・決裁が別系統のため、直ちに停止はしにくいでしょう。来年度に自治体の補助金を考えている皆様は、国の付け替えを横目に、国・自治体の2正面で企画を用意しておきましょう。制度変更への耐性が上がります。


以上、現時点からの考察でした。

直近の公募を計画されている皆様は、これまで通り進めましょう。
そして、来年度に計画されている方は、評価軸の変更と賃上げ達成の実現可能性を織り込んだ計画に磨き上げていきましょう。

さて、実際にどう動くのか。最新情報が公開されましたら続報をお届けします。

本記事は2025/09/11時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。

コンサルタントのひとりごと

9月に入り、朝晩は少し過ごしやすくなりましたが、日中はまだ暑さが残ります。季節の変わり目は体温調節が難しく、体調を崩しやすい時期です。皆様、くれぐれもご自愛ください。