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狭くて広い?NEDO懸賞金活用型プログラム
2025/11/10
コンサルタントの淡河です。今回は「NEDO懸賞金活用型プログラム」を解説します。2023年度から始まったこのプログラムは、これまでも何回かご紹介しました。
さて、このプログラムへの応募を検討する際、いくつか要注意な特徴があります。今回は、現在公募中の課題、「広範囲な浅海における短時間計測・観測システムの開発/NEDO Challenge for BLUE ECONOMY」(以降、「本開発」)を素材にしてその特徴を説明します。
NEDO懸賞金活用型プログラム、名前は同じでも大きく異なる
特徴のひとつは、課題ごとに手順が大きく異なること。例として、既に公募終了の「生成AIの安全性確保に向けたリスク探索及びリスク低減技術の開発」(以降、「比較開発」)と比較してみます。スケジュール
本プログラムは、補助事業ではなく、懸賞金を争うコンペ形式です。その構成ですが、「本開発」では2025年から2027年にかけて1次から3次までコンペが行われる予定です。ただし、今回の公募では1次コンペの応募要項が示されるのみで、2次以降の内容については公開されていません。一方、「比較開発」は全体像が明確です。2025年7月にトライアル審査の締切、その採択者の短期間の開発による12月締切での本審査の実施が明示されています。
懸賞金の額
次に懸賞金の額ですが、「本開発」の1位の最高額350万円と比べて、「比較開発」の1位は7,000万円と高額です。同じプログラムでこれほどの金額差は驚きです。個別の課題への応募を検討する際は、まず懸賞金の額を確認する必要がありそうです。マッチング支援
また、「本開発」では公募期間中に「マッチングプログラム」という仕掛けがあります。参加者同士で相性が良ければチームを組んで応募したいとの要望があれば、事務局が引き合わせを行うという機能を提供します。「比較開発」ではこの仕掛けはありません。多数の課題と絞りこまれた内容
そしてこのプログラムが一般の補助金と比べて大きく異なるのは、課題が多く、かつそれらの課題がかなり狭い技術分野に限定されている点です。今年の春に紹介した「量子コンピュータを用いた社会問題ソリューション開発」でもかなり細かく分野を特定して数多くの課題を挙げていましたが、8月にアップデートされた同プログラムの「NEDO量子懸賞金事業_懸賞課題」でもやはり47もの課題が列記されています。
そして課題によってはその内容がさらに細かく分野分けされている場合もあります。補助金紹介ページにも掲載していますが、以下に示す通り、「本開発」もそれに該当します。
そもそも「浅海の計測・観測」に関する専門技術を有する企業そのものも稀かと思います。加えて、「水中ロボットや藻類の観測」となるとなおさら絞られそうです。
NEDO懸賞金活用型プログラム、今後の展望
対象がかなり絞られた事業と認識される本プログラムですが、さらに「開かれた」事業となることが予想されます。まず、2023~2025年度の総予算額の推移を見ると、6億円、11.5億円、26億円と急激に増額されています。
また、2025年度も2,000万円をかけて、このプログラムを対象とした「EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/証拠に基づく政策立案)・効果検証の実施に向けた調査」が行われる予定です(実施者は三菱総合研究所)。
つまり、NEDOはこのプログラムはかなり有望と考えているようで、今後も新たな課題が追加されていくと考えられます。
各課題の技術分野は狭いものの、課題分野全体の多さと広がりが強みの本プログラム。補助金と併せた資金調達手段のひとつとして当面注目すべきかと思います。
本記事は2025/11/10時点での情報です。状況は刻々と変化しますので、必ずその時点での最新情報をご確認ください。
季節の俳句
てのひらをやわらかく熊眠れるか (井上 弘美)
思えば山奥に潜んで冬眠に入るばかりであった頃の熊は、この句のように心温まる存在でした。昨今はアーバンベアとかで日々人が襲われるニュースばかりで、すっかり警戒対象となってしまい残念です。
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